白山比咩神社の「豊年講寄稿「命の糧」」を掲載しています。

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豊年講寄稿

(平成23年2月)

命の糧

根上農業協同組合 代表理事組合長  又村 一夫

又村 一夫 食べる物なくして、生き物は生存できません。世界的に見ると食料の需給逼迫状態が依然として続いており飢餓に苦しむ多くの国々があります。
一方、我が国を始めとして一部の国のみが飽食をむさぼっており、有り余るほどの食べ残しを出している状況にあります。
我が国は食料自給率が40%にもかかわらず、飽食をむさぼり続けられるのは、世界の食料を買いあさることのできる資金力と消費者にそれなりの経済力があるからであります。
しかし、輸出国での不作や政情不安等、また一つの港湾ストだけでも安定した輸入が一挙に閉ざされることにもなりかねません。
そうなれば、食料の高騰と不足が生じ、国民生活が著しく脅かされることとなります。
日本は狭い国です。しかし、農産物の作り手の高齢化や後継者不足、それに加えて価格の低迷等から耕作放棄地が増大し、今や埼玉県の面積に匹敵するほどにもなっています。
瑞穂の国として嘆かわしい限りであります。
家族の生活がまかなえない職業や産業は決して長続きすることはありません。
農家も自助努力は当然必要なところでありますが、自然を相手にする農業は努力で何とかなるという範疇を超えるものがあることから、農家が生活できる所得を得られ、国民が安心して安全な食生活を送れるような農業政策がぜひとも必要であります。
稲刈り風景 JA根上は、特産の丸いもや地場農産物の生産振興を図るとともに、それらを活用した「ごはんば〜が〜」や「丸い〜もコロッケ」などの消費者に喜ばれる加工品の提供に努めてまいります。
これらの取り組みはひとえに霊峰白山の清流の恵みがあってのことと感謝し、本年も五穀豊穣と農作業の安全をご祈念申し上げます。