白山比咩神社の「豊年講寄稿「霊峰白山と手取川」」を掲載しています。

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豊年講寄稿

(平成23年10月)

霊峰白山と手取川

豊年講世話人 白山市井関町  盛本 隆四郎

盛本 隆四郎 霊峰白山を朝な夕なに仰ぎながら農業を営む私には、台風を除ける壁としてそびえる白山と、白山を源流とする手取川の恵みを受けて、今年もまた災禍なく収穫の秋を迎える事ができ、白山比咩大神様の恩恵に感謝し老骨に鞭打って野良仕事に励む日々を過ごせることはうれしい限りであります。
白山信仰には、遙拝と登拝があると教えられておりますが、私の住まいする隣地区、白山市手取町の西方約150メートルの処に一基の石塔「白山権現堂別所跡・泰澄大師御旧跡・親鸞聖人御舊跡」が建っています。その前には50センチ位の祠だけがあり、白山権現堂別所と万法寺があったことを伝えています。
養老元年(717)、越の僧泰澄により、霊峰白山が御開闢されました。同3年(719)、この地は白山権現西正面にあたる霊地であり、比類なき勝地とされ、御堂一宇を建立し十一面観音菩薩及び薬師如来像を安置し、白山権現堂別所になされたとあります。
また、井関町には、白山を源とする伏流水が湧き出る生水(しょうず)(千代尼清水と呼ばれた)水飲み場(休憩所)があったと伝えらています。
千代尼清水跡の石碑 昭和6年7月19日の『北國新聞』には、
「うら道の よ起ことふたつ 清水かな」
千代尼の句がある路標を発見と掲載されていますが、平成13年(2001)3月、井関町の有志により、千代尼道標・千代尼清水跡地保存会が結成され、美川ライオンズクラブの御協力も得て石碑が建立されました。
偉大なる白山の歴史や文化、恵みの中で当たり前のように日々の生活を過ごしておりますが、五穀豊穣のみならず、伏流水によるお酒造り・手取水道による飲料水・地下水使用の先端産業に至るまで、豊かな恩恵に浴す多くの方々に崇敬される白山比咩神社豊年講大祭が未来永劫に継承されることを信じております。また大神様のご加護に感謝し、我道を精進し余生を邁進したく思う次第でございます。