白山比咩神社の「豊年講寄稿「食と農を守る」」を掲載しています。

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豊年講寄稿

(平成24年2月)

食と農を守る

白山農業協同組合 代表理事組合長  竹内 文雄

竹内 文雄 雪が解け、加賀平野は稲作の始まる時期となりました。昨年はこの地で大きな災害もなく稲作の作況は「やや良」、白山の恩恵による豊かな収穫が得られました。 近年、地球温暖化による高温の影響が憂慮されておりますが、この地の稲作農業は、毎年豊かな自然のもと、無事に農業を営み収穫が出来ている事は、加賀白山の、大神様のご加護によるものと有り難く感謝致しております。
東日本大震災の被災地の農業者は、津波による農地や農業施設の崩壊、原発による農産物の生産への影響等、絶望的な悲しみ苦しみの状況から、一歩一歩立ち直り、農業再生に向けて取り組まれていると聞き及びます。支えあう人々の絆により、生きる力と元気を出し、復興へと歩み出されている姿に、農業を営む者として心から拍手と声援を送りたいものです。私たちは、恵まれた環境のこの地で、今年も例年通り稲作が出来る事は、大変幸せな事と感じています。
我が国の農業は現在、高齢化と担い手不足等から、先行きに不安を抱えております。日本の『食と農を守る』事は、農業者組織の役割と考えており、国内における食料の安定供給に向けて、後継者の育成や農業維持継続への態勢強化に取り組んでおりますが、現状は厳しい状況にあります。
比咩の米 この様な中、環太平洋連携協定(TPP)への参加交渉・協議が大きな関心事となっていますが、無関税による農産物輸入は食料自給率のさらなる低下をきたし、農業離れが一層進む等、日本農業の崩壊が懸念されます。国民生活の基本となる『安心・安全な食料』の確保は、国の農業政策が基本でありますが、農業の維持継続における農業者のさらなる努力と、国民の理解と支持が重要だと考えています。
加賀平野の豊かな土壌と手取川の清き水から育まれるお米を、多くの消費者に食していただき、喜んでもらうことを私たち農業者は喜びとし、米作りに汗を流しています。今年も加賀白山の、大神様のご加護により、災害もなく豊かな秋の収穫を迎えられます事をお祈り申し上げます。