白山比咩神社の「豊年講寄稿「イセヒカリに出会って」」を掲載しています。

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豊年講寄稿

(平成30年11月)

イセヒカリに出会って

奉耕田田長  大宮 啓文

大宮 啓文 白山比咩神社奉耕田のお世話をさせて頂き早10年になりました。
伊勢神宮のご縁を頂き「イセヒカリ」と言う品種に出合いました。恵まれた環境の中でさらに美味しく粘りも充分に出す様に肥料の配合を考え、それに微生物を加えようやくその成果が見えてきました。
作り始めて5年で最初の目標が実現し、今度はきれいな黄金色を出すために友人から習った肥料の作り方を思い出し、米糠に油かす、ぼかし肥料を配合し砂糖を溶かした湯で粘り上げ温度材を入れて、40度まで温度を上げ、攪拌する事、5回繰り返して完成となります。こうして出来上がった肥料を使用し、すばらしい黄金色を出す事が出来ました。

早乙女による抜穂の儀(平成30年10月)

神様のお導きにより元気な体で何事も心を込めて尽くしていける自分は幸せものだと感謝しています。
霊峰白山開山1300年の節目を祝って、なおさらに感謝の念が強くなりました。
今、私が心配している事があります。それは毎日食べている食物の問題です。日本人に合った食事が摂られえているだろうかという事です。
日本人の体の仕組みは、穀物と野菜類を中心に食べてきました。消化酵素や腸の長さはそれに適していましたが、いつの間にか西洋の食品が多くなり、脂肪の多い肉類を食べています。西洋人との体の違いで色々な体の不具合が起きているのです。
今2人に1人がガンになり、脳の病、心臓の病、高血圧、高血糖、その他数え切れないほど日本人の体を蝕んでいるのです。
そこで、日本人に合った食物を見直し、120歳まで生きるためには身近にある物で玄米、大豆、胡麻、胡桃、栗、魚、トマト、果物をバランス良く摂取し、常に腹8分を守るようにすれば食べた物が完全に消化され3大臓器と脳、血管、骨を強くして老けない体を作ることが出来るのです。

早乙女が丁寧に刈り取った稲穂を田男に渡す(平成30年10月)

我々の体に合った和食を再認識し、良い物を積極的に摂取する様に心掛けましょう。
私は2年前に「120才まで長生き宣言」というある有名な医学の先生の書に出合って、実践し現在に至っています。
これからも神様に心を寄せ、ご先祖様を敬い頂いた命を大切にし、豊かな心で世のため人のために尽くして生きたいと思います。
最後に今年のイセヒカリは近年になく豊作です。美味しい米を神様に食して頂けると思います。あっという間の10年でありました。その間色々な人達の助けを受け、自分に与えられた務めを全うする事が出来ました。
有難うございました。

新嘗祭時にお供えする稲束を調整する田長(左より2人目大宮氏)(平成29年10月)