白山比咩神社の「シリーズ企画 自然と生きる③「充実のものづくりを支える白山の自然に感謝」」を掲載しています。

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シリーズ企画 自然と生きる③
「充実のものづくりを支える白山の自然に感謝」
−中村健一社長を訪ねて−

(令和元年7月)

当社とご縁のある中から、自然を敬い、慈しみながら、日々の生業を営む方々の姿をご紹介します。

中村留精密工業(白山市熱野町)

異なる種類の加工を1台に集約した複合加工機を主力製品とする工作機械メーカー。先代社長の中村留男氏が昭和24年に金沢市で創業し、同38年から現在地に本社を置いています。石川県のものづくり産業を代表する企業として、海外市場にもグローバルに事業展開し、国内外のユーザーから高く評価されています。

(写真)昭和天皇行幸を記念した社内庭園で、楠木正成公の像と「忠魂の松」の前に立つ中村健一代表取締役社長


一年の計を白山に誓う

中村留精密工業(以下、中村留)の一年は、白山比咩神社での初詣から始まります。昭和46年から毎年続けている恒例行事で、仕事始めを前に、社員全員が神社に集まって参拝し、新たな年への決意を誓っています。
中村健一社長にとっても、白山比咩神社は長年にわたって崇敬してきた神社です。幼少のころ、先代社長である父親に手を引かれて、金沢から電車に揺られて足を運んだ初詣の思い出が今も脳裏に刻まれています。「石川県に自然災害が少ないのは、白山の大神が守ってくださるからです」と常日頃から白山の恩恵に感謝を捧げ、毎朝四時半から自宅の神棚への参拝は欠かしたことがありません。
中村留の事業も、本社を現在の場所に移して以降、白山の雄大な山並みに見守られながら成長を重ねてきました。中村社長は昭和63年に先代から経営のバトンを受け継ぎ、培ってきた技術力にさらに磨きをかけて、時代の変化にも柔軟に対応できる企業に育て上げました。
そんな中村社長のリーダーシップを見込んで、白山比咩神社の氏子崇敬者総代会の会長に推す声が上がったのは平成15年頃のことでした。当初は「自分より熱心な崇敬者が大勢いらっしゃるのに、私で良いのだろうか」とのとまどいもあったそうです。それでも、神社を崇敬者の側から支える役割に栄誉を感じて、現在に至るまで総代会長の責務を担い続けています。
令和の時代が幕を開けた昨年には、天皇陛下御即位に伴う11月の大嘗祭当日祭において、総代会長として献幣使を務めました。中村社長は時代の節目にしか行われない貴重な行事に関われたことを喜ぶ一方で、「普段はスピーチなどでもあまり緊張はしないのですが、この日ばかりは失敗できないプレッシャーで最後まで上がりっぱなしでした」と苦笑いしながら振り返っていました。

(左)令和元年11月14日、大嘗祭当日祭に献幣使として参加した中村社長。
(右)初詣で白山比咩神社に参拝する中村社長と社員たち。


自然が社員を幸せにする


社員を癒す緑の木々

間近に望む白山への崇敬の心を反映し、山麓の自然の豊かさをなぞるかのように、中村留の本社には自然をふんだんに取り入れた環境が整備されています。12万uを超える広大な敷地内には、先代社長の時代から数多くの木々や植物が植えられてきました。「飛翔の松」や「古希の梅」など別の土地から移植した古木、社員1人1人が植樹した「長寿の森」も含めて、今や樹木の本数は約1万2000本にも達しています。
中村社長は社内に緑を増やす目的について、「樹木や植物の持つ生命力は私たちに活力をもたらし、心身の癒しやリラックス効果も期待できます。社員が健康に働ける職場づくりの一環です」と説明します。春には満開の桜並木を社外の人々にも開放するなど、社内の緑は地域貢献にも一役買っています。

(左)街道沿いの桜並木は、春には一般向けに開放し、夜間にはライトアップも行っています。
(右)飛翔の松


白山をイメージの新施設

敷地内にはほかにも、社員が世話する花壇や農園も設けられ、花や野菜の出来栄えを競うコンテストが開かれています。若手社員によるボランティアグループ「中村留五郎一座」など、ユニークな社内活動を後押しする背景には、社員たちがさまざまな才能を発揮できる場を提供しようとする中村社長の思いが垣間見られます。「私の目標は、社員全員が豊かで幸せに暮らせる会社をつくることです」と語る言葉に力がこもります。
社内の施設も自然をコンセプトに取り入れています。平成30年に完成した「厚生ホール」のカフェテリアは、天井に白山をイメージしたデザインを採用し、石川県産のスギ材で仕上げました。社員たちがのびのびと働ける環境は、霊峰白山が育んでくれる自然に支えられています。

(左)社員がくつろぐ厚生ホールのカフェテリアは、内装を木材で美しく仕上げ、窓からは周囲の景色を一望できます。
(中)中村留五郎一座
(右)社内農園では社員たちがグループごとにジャガイモや大根を育て、コンテストで競い合っています。

記・中道大介(高桑美術印刷)