白山比咩神社の「豊年講寄稿「白山と大地のみのり」」を掲載しています。

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豊年講寄稿

(令和4年3月)

「白山と大地のみのり」

白山農業協同組合 代表理事組合長  竹内 文雄

竹内 文雄 世界の人口増大、異常気象等から世界的な食料不足が懸念されています。日本社会は人口減少と食生活の多様化から、主食の米は消費が減少し、近年は過剰在庫となり、年々、転作が増大しています。一方、食料自給率は37%で減少傾向に歯止めがかかりません。食料の多くを輸入に頼っている我が国の食料の安全保障を考えると、現状に一抹の不安を感じているところであります。

3月は白山比咩神社の豊年講春季大祭の時期、穀倉地帯の加賀平野では雪解けを待って農作業が行われますが、近年は生産者の意欲が高まらず、米価下落や資材の高騰から経営が不安定の中、疫病の終息を祈り、明るい展望を期待しながら今年の稲作が始まります。

JA白山ブランド米比咩の米

JA白山の鶴来地区は、環境に恵まれ石川を代表する主要農産物の種子産地であります。白山の豊かな水と自然が美味しい作物をつくり出し、水稲種子も良質の種が採取され、長年に亘る生産から石川の種子生産量のうち水稲種子で35%、大麦種子は60%、大豆種子は90%を生産し、石川の最大種子産地であります。長くこの地でこれらの種子が安定生産できるのは、白山比咩大神様のご加護によるものと感謝いたし、石川の農産物の元を担えているのは白山の恵みであり、生産者は誇りを持って今年も生産に取り組まれます。

食料・農業は命の源であり、我が国の農業の維持発展に向けて、消費者と生産者が相互理解を深め一体感を持って食料の重要性認識の議論を深めることが大切であります。
今年も白山の豊かな自然と恵みにより、五穀豊穣を祈り、豊年講春季大祭が厳かに斎行されることをご祈念いたします。

感謝の誠を捧げる豊年講員