白山社めぐり(136)「白山社(大野湊神社内)(石川県)」をご紹介いたします。

白山信仰と白山比咩神社

白山社(大野湊神社内)(石川県)

御社殿
鎮座地石川県金沢市寺中町ハ163番地 大野湊神社境内
御祭神伊邪那岐命、少彦名命、天満宮
例祭日3月15、16日・9月15、16日
宮 司河ア正幸

由 緒

大野湊神社は延喜式神名帳にその名を記す延喜式内社であり、社格は旧県社、現在は神社本庁別表社に加列しています。平安以降、御祭神のうち猿田彦大神の当社での別称「佐那武大神」の由来により「佐那武社」と称され、「白山之記」によれば加賀馬場白山宮の有力末社の1つとされています。現在境内に白山社が鎮座するのはその名残りと伝えられております。
この白山社の創立年代は不詳とされていますが、享保6年の当社資料によれば「佐那武白山神祠は中古社僧方の坊跡寺中村に鎮座のところ、在家次第に多くなり混穢の恐れあるを以て寛永19年佐那武の境内に遷す」とあり、元より寺中村(現在の寺中町)に鎮座していた社を大野湊神社境内に移したことが窺えます。
大野湊神社の御祭神のうち護國八幡大神とともに寺中町の氏神でもあります。また、海と湊の安全を司る大野湊神社境内に白山信仰の社が鎮座することは、古くより霊峰白山への崇敬が色濃くあったことの証といえるでしょう。