白山社めぐり(193)「六厩白山神社 (岐阜県)」をご紹介いたします。

白山信仰と白山比咩神社

六厩白山神社 (岐阜県)

社殿
鎮座地岐阜県高山市荘川町六厩字芝野529番地
御祭神伊邪那岐命 伊邪那美命 菊理姫命
例祭日9月6日
宮 司金井裕則

由 緒

当社の創建年代は不詳ながら、長瀧寺が飛騨国大野郡の川上・小鳥・白川の三郷に有していた広大な荘園の総社として創建されたと伝えられており、地域一帯の信仰の中心地でした。この地は越前方面への官道の宿場町であった為、東国方面の役人が越前に向かう際には当地に宿泊し、必ず当社に参拝したと伝えられています。
六厩地区は地域有数の金山地帯であり、江戸初期には高山藩主・金森氏のもとで採掘が行われ、最盛期には「千軒平」と呼ばれる千軒規模の鉱山集落がありました。高山藩の鉱山田んぼの中央に鎮座する徳丸白山神社奉行・茂住宗貞も採掘に際し当社に参拝し、安全と繁栄を祈願したという言い伝えも残っています。
また、地域には神木である夫婦杉を伐れば祟りがあるとの言い伝えもあり、昔、六厩杉尾山で木こりが夫婦杉を切ろうとしたところ、夢に神が現れ「夫婦杉を伐ればこの辺りの杉は皆枯れる」と告げたという話が残ります。
金山で栄えた歴史から鉱夫や開発者たちの篤い崇敬を集めながらも、山の恵みや地域の生活に根付いた信仰が現在まで続いています。