白山比咩神社のコラム「神道講話354号」を掲載しています。

神道講話

神道講話354号「教育勅語の十二徳」

はじめに

明治天皇

今の日本を建て直すには、道徳の教育からしっかり行うことが必要ではないでしょうか。
政治は三流・経済も三流といわれ、急激に衰退している現状をヨーロッパでは、「危機に立つ国家」・「衰退途上国ナンバーワン」と位置づけられているのが日本だと聞きました。非常に心配な状況だと思います。

明治天皇のおことば

明治天皇が、明治11年に東北・北陸・東海を巡幸された時に、「輓近(ばんきん)専ら智識才芸のみを尚(とう)とび、文明開化の末に馳せ、品行を破り、風俗を傷(そこな)う者、少なからず 。・・・・仁義忠孝を後にし、従(いたずら)に洋風これを競うにおいては、将来の恐るるところ、ついに君臣父子の大義を知らざるに至らんも測るべからず」と感想を述べられています。
正に現代に通ずるものと思われ、改めて「教育勅語の十二徳」を考えてみたいと思います。

教育勅語の十二徳

教育勅語

「教育勅語」は、戦後GHQ(連合国総司令部)の占領政策で「修身教育」を停止するように指示が出され、昭和23年6月の国会で「教育勅語」を否定する決議がなされたのであります。 「教育勅語」というと目くじらを立てる方がいらっしゃいますが、そういう方には「まず中身を読んでください」と言いたく思います。
夫婦は仲良くしましょうとか、親孝行をしましょうとか人として当たり前のことを教えています。
今、どこかで子供が虐待されている可能性があるし、夫婦や親子がお互いを傷つけ合っているかもしれない。
今は夫婦の絆、家族の絆を強めなければいけない時代です。

教育勅語原文

読み直しの好機

教育勅語下賜の図 聖徳記念絵画館蔵

今の子供達は、同じ姿勢を取りつづけることが非常に困難になっていて朝礼の時などでは、ずっと立っていられなかったり、手と足がバラバラになって上手に行進出来ない。イスの座り方がわからない。鉛筆や箸の持ち方が分からない。そういった子供達には「型」を身につけ、宗教的情操心を教えることが必要です。 又、国を愛し、故郷を愛し、祖先を大切にし、伝統を大切にし、学校・家族を愛する心・公徳心・国際社会を教えることが必要です。
そして、自分自身を大切にすることに始まり、周りの命・家族の命・地球の命について「命の大切さ」というものを解く必要があります。
本年は教育勅語渙発120年、併せて明治神宮ご鎮座90年の佳年を迎えます。
又、戦後65年が経つわけですから、これを機に日本人は、もう一度「教育勅語」を読み返し「道徳」を取り戻したいものだと思います。

おわりに

日本教育再生機構理事長八木秀次先生が関係している事業で、この秋に中学校、小学校向けの道徳教科書が発刊されると聞きます。内容の一部を紹介しますと、
 第1部 誠実にいきる
 第2部 偉人の生き方にまなぶ
 第3部 型の尊重
 第4部 公を愛する心
 第5部 命の大切さ
というものです。早期発刊が望まれる次第であります。

本稿執筆にあたりましては、念法眞教発行の鴬乃声・念法時報より多大なご教示を頂きました。紙面を借りまして御礼を申し上げます。