白山比咩神社のコラム「神道講話410号」を掲載しています。

神道講話

神道講話410号「日本の誇りと実践」

◆ はじめに

敬神生活の綱領前文に「神慮を畏み・・・実践につとめて以て大道を宣揚する」とあります。
そして綱領では「神の恵みと祖先の恩とに感謝し」「世のため人のために奉仕し」とあります。
近頃、日本人全体が自信をなくしてしまっているように見えます。
何を言っても何をやっても足元をすくわれたりすくったり、裁判に訴えられたり訴えたりするので、実行に移せないで考え悩んでしまっているように見うけられるからです。

天皇陛下・皇后陛下

◆ おもう

以・念・思・惟・想・意・憶・懐・謂

いかなる思いであっても思っているだけでは何もなりません。
最近よく報道番組を見ていると政治に携わる人や評論家・コメンテーターなどが責任感もなく、他の人々を追求するもしくは追求される発言が多く目立っています。
そして、「何事も・・・と思います」「・・・と考えます」を乱用していますが、私達見ている側からすれば「思ったら実行して!」実行して失敗したらやり直せば良いのだし、逃げる事ばかり考えていては、何も前には進んでいけません。
お互いに助けあい、協力しあう気持ちで物事を本音で語り合い、多くの意見を出し合い、助け合って責任ある言動が望まれます。
一般的に物事を成そうとするには困難を伴うもので、困難があればあるほどそれを成し遂げるには強い目的意識を持たなければなりません。
途中で投げ出してしまうことに共通なのは「何が何でもやり抜く」という気持ちや信念がはじめからなかったという事でしょう。
逆に言えば「必ずやり遂げよう」という強い意志がなかったということなのです。

ロータリークラブでは、例会で「4つのテスト」を唱和します。
言行はこれに照らしてから
  1、真実かどうか
  2、みんなに公平か
  3、好意と友情を深めるか
  4、みんなのためになるかどうか

そして行動規範としては
  1、高潔さと高い倫理基準をもって行動する
  2、公正につとめ相手とその職業に尊重の念をもって接する
  3、若い人びとを導き、地域社会の質を高める
  4、評判を落とすような言動は避ける
と謳ってます。

◆ 「いのち」の流れ

新帝陛下が皇位を継承し、早8ヶ月が過ぎました。この間、国の内外共に連綿と受け継がれた第120代の天皇陛下、皇后陛下御即位を讃えつつ、去る10月22日には「即位礼正殿の儀」、11月14日・15日の「大嘗宮の儀」が無事に執り行われ、国の隆昌と世界の平和、国民の安寧を祈られ、両陛下はすべての日程、諸儀式が滞りなく終了されましたことを、皇祖・天照大神の鎮まります伊勢の神宮両宮に御親謁遊ばされました。
これは正に、人として在るべき姿であり、先祖あっての今ということを如実にお示しに成られたお姿であります。

即位礼正殿の儀 寿詞を読み上げる内閣総理大臣安倍晋三

◆ むすび

「日に新たに」「日々新たなり」と申しますが、時はかたときたりとも止どまることはありません。
1年のうちに冬至といって、夜が1番長い日を迎えたとき、それは昼が最も短いのであり、陰が極まった状態のこの日を1年の終わりであり始めとし、これを境に夜と昼の時間が入れ替わります。
古来宮中では日没から夜明けまで御神楽を奏したと聞きます。これは天岩戸神話を受け継いだ祭祀と言えます。
そして、太陰暦の新月から新月まで30日間を1月(ひとつき)とし1日(いちにち)は、日没から次の日没までとしたのであります。大嘗祭も10月14日の夕方の6時半から悠紀殿(東の方)、零時半頃から主基殿(西の方)の祭りを御奉仕され、明け方午前3時半頃に全ての祭儀が終えられたのであります。
伊勢の神宮は、20年に1度遷宮が行われますが、これを「常若(とこわか)」と申します。
皇統は絶える事なく、2680年常に日々新たに伝統を守られた世界に類の無い日本国の誇りであります。
令和2年のお正月は、令和の時代の初の正月であります。皇位の継承は日本の歴史と伝統に基づき皇室が決定されるべきであると考えます。
思ったら実行する」を心に、国民挙って世界平和と人類の共存共栄・御皇室の安泰と日本国の安寧を心からお祈り致しましょう。

伊勢の神宮「内宮」