白山比咩神社の「寄稿「神域に3日間留まりて 自然とひとつになる」」を掲載しています。

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寄稿

(平成25年9月)

特別崇敬者の堀岡昭夫氏より禊研修会から夏山開山祭に至るまでの
ご感想を頂戴いたしましたのでご紹介申し上げます。

神域に3日間留まりて 自然とひとつになる

月参り特別崇敬者 堀岡製本印刷  堀岡 昭夫

6月29日(土)午後より4回目となる禊研修会に参加させていただきました。禊とは私達日常の生活で知らず知らずのうちに罪穢れにまみれてしまい、その穢れを清める儀式が必要であると古来より考えられてきました。その儀式が「禊」なのです。罪穢れを水に流すことで新たな心で前へ進む事が出来るということです。

禊行法の作法とは、ここから禊をする場所へ向かうという感性で、船を漕ぐ動作をしながら和歌を3回唱えます。雄おたけび健を唱え、自然の生気を吸って自己の体内を清浄にします。これが終わると、いざ白山の伏流水に入り、体を胸まで浸かり、大祓詞を唱えます。「高天原に神留まり坐す」から始まる大祓詞は十分程でしょうか。終了すると、もう一度同じく船を漕ぐ動作をして、和歌を3回唱え自然の生気を吸って終了です。

私たち大和民族は性善説の上に成り立っていますので、日々の生活で穢れにまみれてしまいます。そこで基本に戻る、内観することが必要です。

翌6月30日(日)は午前9時より白山夏山開山に先立ち別当出合鳥居前にて安全祈願祭が執り行われ、環境省を始め、官公衙各団体の方々が今年の山の安全を願い玉串を捧げられました。

祈願祭が終わりいよいよ入山です。はじめは軽い足取りでしたが、甚之助小屋を過ぎたころから15分登り、5分休憩を繰り返し午後4時に室堂に到着いたしました。

今ではヘリコプターで物資を運搬していますが、昔は100キロ近い荷を背負って登る「歩ぼっか荷」が運んだ苦労を思うと、生ビールや夕食を食べながら、今はなんと恵まれた環境かと感謝します。疲れもありいつの間にか眠りにつき、午前3時には起床、奥宮参拝に向けて準備を整え、まだ暗い中「高天原」を通過し、御前峰山頂に到着しました。前日の禊の大祓詞の「高天原に神留まり坐す」を思い出し、ここで神が留まったかと思うとまさに神域に留まる感激を感じました。

7月1日の日の出は雲で残念ながら見えませんでしたが、神職さんがおっしゃる「今ここに立てる幸せに感謝し、日本人であることを誇りに持つこと」ができました。その後奥宮での祈願、午前8時からの開山祭に参列し、下山いたしました。

昨日は苦労して登った道を、今日はこんな簡単に下山するとはもったいないと思いつつ、頂上があるのは6時間かけて登ったこの大地があるからこそで、日々の積み重ねがとても大切であることを実感しつつ下山いたしました。帰りは白山比咩神社にておついたちまいりの参拝と、下山までの3日間神域に留まる、感謝・感激の時を過ごさせていただき、幸せを感じております。来年こそは、カメラで7月1日のお日の出のシャッターを切りたいと願います。

 奥宮の 高天原を 見渡せば
  神の大御心のやさしさ 我が魂に響く