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豊年講寄稿
「霊峰白山の恵みに感謝」
豊年講世話人 川北 弘
昨年天皇陛下が御即位されてより、令和2年初めての米作りの季節が参りました。本年は例年になく雪のない正月を迎え、除雪の心配はないが、只山麓のスキー場の営業ができず白峰の『雪だるま祭り』も中止となり、雪を生活の糧としておられる方々には困惑の年となっています。
私が豊年講の世話人をお受けして早20年を迎えました。この20年の間には色々なことがありました。世界経済の荒波にもまれ農産物の自由化が進み、海外から食に安全を脅かす食料の輸入の増加、食品の偽装表示による流通など、また少子高齢化による消費の減、農産物価格の低迷や農業従事者の離農による減少が発生しております。本年は東京五輪が開催され、外国から多数の観客が来られることになりますが、現在新型コロナウイルスの蔓延が懸念されているところです。
近年の異常気象による全国各地を見舞った農地被害も例外ではありません。この白山周辺においては白山の大神様のおまもりで目立った風水害はありませんでしたが、この雪の少なさは、夏場の渇水や自然災害が大変心配されます。
我々は太古より白山からの豊かなお水を頂いて、用水を築き、伏流水の湧き水を生活用水や農業用水として地域文化を育んでまいりました。
私自身も少しの水稲を作付けしており、その中で有機米(JAS)を八反歩作って、その採れたお米を、有機米を好む方々に販売しております。私も有機玄米食を10年以上続けているのと、大神様のご加護のお陰でこうして豊年講のお世話を続けることが出来るのだと喜んでおります。
農事に関する春祭り、秋祭りや季節に応じた報恩講等宗教行事を後世に残していくべき伝統行事があります。ただここにも少子高齢化の波が押し寄せてきております。これから地域活性の活動に、住民全員の参加協力が必要であると思います。
農家の形態も営農組合法人化に移行しており、JAにおいても大型合併の方向に進まざるを得ない状況になってきております。
地域文化の継承には、信仰の歴史的裏付けが必要であります。これからも霊峰白山の白山比咩大神様を、水の神、命の親神として仰ぎまつりこの年の豊年満作、五穀豊穣をお祈りするとともに、白山のお水による豊かな恩恵に浴する方々のご発展ご活躍を御祈念申し上げます。