白山比咩神社の「コラム[column]農業用水と水循環」を掲載しています。

トピックス

トピックス

トピックスの詳細

コラム[column]農業用水と水循環

(令和4年3月)

稲作、畑作、畜産に使われる農業用水は、人々の命・食生活を支える飲み水と同じように大切な「水」であります。農業は、降雨を有効に利用し、不足分を農業用水による灌漑で補い、自然界の水循環と融合した形で利用されています。
私たちの住む手取川流域は扇状地特有の砂や石を多く含む土壌で、水はけが良く、多量の用水を必要とします。
豊富な水を蓄える霊峰白山ですが、近年の日照りや台風などの天候不順で、水不足になったり、洪水になったりと安定的な用水を確保する為に大変な努力を要します。
土地改良区の関係者や農家の人たちが、水路内のゴミや土砂の除去など日常的に点検をして頂いているおかげで、安定的に水を均等に田畑や施設に供給出来ているわけであります。
用水は農作物の生産だけでなく、工業や生活用水としても活用され、また里山里海の美しい水の景観形成、生き物のすみか、融雪・防火用水、体験学習と教育の場などと色々な役割を持っています。
私たちの暮らしに安定的に「水のめぐみ」をもたらしてくれる用水への理解と地域にとって大切な財産であることを知り、地域の宝である用水を未来へとつないでいきたいものです。

大水門取入口(白山市白山町)

(手取川と用水 参考)
記 田中天善