白山比咩神社の「豊年講寄稿「農地を守り農業を守ることの大切さ」」を掲載しています。

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豊年講寄稿

(令和6年3月)

「農地を守り農業を守ることの大切さ」

白山農業協同組合 代表理事組合長  柄田 俊樹

柄田 俊樹 元日に発生した能登半島地震で被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞いと1日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
3月は白山の恵みに感謝し五穀豊穣と農作業の安全を祈願する白山比咩神社の豊年講春季大祭が開催され、農家も田植えに向けて水稲苗の準備を始める時期であります。
JA白山管内では沿岸部の美川地区から山間部の手取地区まで約1,500haの農地面積の約7割にあたる約1,100haで基幹作物の水稲が作付されています。霊峰白山のふもとの清らかな伏流水と手取川扇状地の肥沃な土壌によって管内は良質米の産地として知られ、この恵まれた環境から県内で使用される米・大麦・大豆種子の県内最大の生産地となっています。特に手取川の上流にあたる鶴来地区以南の山間部で生産されるお米は、朝晩の寒暖差のもとにふっくらとして適度な粘りと風味のある良食味米として多くの支持を集めています。

しかし、近年は食の多様化と少子高齢化の進行によってお米の需要そのものが年々減少し、それに伴う米価の下落と肥料の価格高騰などにより農業経営は非常に厳しい時期を迎えています。また、近年法人経営の農業者も増えていますが、全体では農業者の高齢化と後継者不足が深刻化しており、地域農業の維持継続においては新規就農者と後継者の育成確保が重要な課題となっています。

春の白山

現在、日本の食料自給率は先進国のなかでも最低の4割弱と低迷している上に、ロシアのウクライナ侵攻や世界的な異常気象の影響で世界的に農作物の収穫量が激減していることから、原料の大部分を海外に依存している日本においても食糧安全保障の確保が喫緊の課題となっています。JAは引き続き農業者所得の増大と農業生産の拡大に向け、今後も生産者の皆さんと協力しながら安心で安全な美味しいお米作りに取り組むとともに、国民の主食であるお米の魅力を発信してまいります。

最後に白山比咩大神様のご加護と霊峰白山の恵みに感謝し、今年の五穀豊穣と国家の安泰をご祈念申し上げます。